当院の考えるこどもの口腔育成
子どもの口腔育成とは、将来生えてくる永久歯の歯並びがよく、むし歯や歯周病にならない口腔環境を育むことです。口腔育成では、食事の内容やとり方、呼吸、筋肉の使い方が重要です。当院では、口腔育成に重要な要素を中心に、年齢に応じたプログラムを実施しております。よく当院に『子供の歯並びが悪いから矯正で綺麗にして欲しい』という内容でご相談に来られる患者様がいらっしゃいますが、当院では歯並びが悪いから矯正をして歯並びをきれいにしましょうという考え方はしていません。お子様に正しい呼吸法や正しい嚥下が出来るように治療や指導を行うことで必然的にきれいな歯並びになります。歯並びだけを改善しても歯並びが悪くなってしまった原因を改善出来ていなければまた歯並びが悪くなってしまいますし、歯並びが悪くならなかったとしても正しい呼吸や嚥下が出来ていなければ何かしらの影響が出てしまうからです。
正しい口腔育成を通してきれいな歯並びを実現します。
お子様の咬合(噛み合わせ)が悪くなると様々な悪影響を及ぼします。悪影響は口腔だけではなく全身の健康や成長の妨げとなることもあります。そもそも噛み合わせが悪いと歯並びが悪くなります。歯並びが悪くなると歯磨きが行き届かない箇所が出てきて虫歯の原因となります。また、顎がどんどんずれてしまい顔貌に変化が現れたり姿勢がずれてしまう事がある為、噛み合わせはお子様の成長に非常に重要です。
子どもの口腔を正しく育てましょう
健康的な永久歯の歯並びをつくるために
健康的な永久歯の歯並びをつくるためには、乳歯の歯並びから正しく育てることが重要です。
注意が必要な歯並び
①反対咬合(はんたいこうごう)
- 上の歯よりも下の歯が前に出ている
- いわゆる受け口
- 下顎が上顎の成長のじゃまをする
- 将来的にもしゃくれた顔ぼうになりやすい
②過蓋咬合(かがいこうごう)
- 上の歯が深くかぶりすぎていて、下の歯がみえない
- 下の前歯が舌側に傾斜している
- いびきをしたり、鼻疾患になりやすいかみしめ、歯ぎしり、頬杖、うつぶせ寝の癖がある
③叢生(そうせい)
- 歯がガタガタできれいにならんでいない
- 永久歯が生え変わった後に、さらに叢生になる可能性が高い
- 歯みがきが難しくなるので、むし歯のリスクが高い
④開咬(かいこう)
- 歯が唇側に傾斜していて、部分的に上下の歯が接触していない
- 指しゃぶり、物しゃぶり、つめを噛む、舌を突出させる等の癖がある
口腔育成の効果
- 将来的に矯正治療をしなくて済む
- 虫歯や歯周病のリスクが大幅に下がる
- 正しい全身の成長につながる
- 口元に自信が持てる事で精神発達に効果的
- 発音がしっかり出来るのでコミュニケーションがスムーズ
口腔育成のサポートをします
当院では、口腔育成のために成長に合わせてさまざまな機能の獲得・発達を促すことに着目しております。乳歯から永久歯に生え換わる時期には、顎の状態が大きく変化します。この時期に顎の正しい発育を促すことで、健全な歯並び・噛み合わせを獲得できるのです。
睡眠、全身の成長、機能的にきれいな大人の口腔をつくる
噛み合わせは効率的な睡眠に深く関係があります。まず、噛み合わせがずれていると頸椎にねじれが生じてしまうため、自律神経に異常をきたすことがあります。これにより健康な睡眠が取れず身体の疲れが取れなかったり、ストレスがたまる原因となります。これが小児期に生じてしまうと全身の成長に大きな影響が出てしまうのです。そこで、正しい噛み合わせが出来るように口腔環境を整えてあげる事で健康的で効率のいい睡眠が取れ、全身の成長を促進することとなります。結果的には大人になった際に機能的な口腔環境が整っていることで綺麗な歯並び、長期的に自身の歯を残すことになり、健康な日常を送れる基礎となるのです。
MFT
MFTとは、口の周りの筋肉を正常に機能させる訓練です。歯並びや噛み合わせ、顎の骨格などは、お口の周りの筋肉の機能に影響を受けます。口周りの筋肉が十分に発達していないと噛み合わせが悪くなり、顔貌にまで影響を及ぼす恐れがあります。歯並び・噛み合わせは矯正治療で改善が期待できますが、筋肉が十分に機能していないと、何度でも歯並び・噛み合わせが悪くなるでしょう。そのため、MFTは矯正治療の成功と再発予防に欠かせないステップと言えます。
トレーニングによる口腔育成
正しくない咬合になってしまっている原因として、口周りの筋肉の使い方に問題があることがあげられます。口周りの筋肉を正しく使えていなことで、歯ならびが悪くなったり、顔貌が悪くなったりしているのです。その場合は、トレーニング(道具を使うトレーニングもあります)により、間違った口周りの筋肉の使い方の改善を図ることができます。トレーニングにより、正常な筋肉の使い方ができるようになり、正常な口周りの筋肉を獲得することができます。その結果、歯並びの改善や顔貌の改善ができることになります。
あいうべ体操
マウステーピング
リップルトレーナー
お口の周りの筋肉(口輪筋)や表情筋を動かすトレーニングです。口唇閉鎖不全(お口ポカン)を予防し、改善させるのに効果があります。
ぺこぱんだ
舌を口蓋に押し上げる舌圧を強化するための器具です。口唇閉鎖を促し、鼻呼吸を促進します。
ガムトレ
ガムを噛み、それを口蓋に押し付けるトレーニングです。飲み込む時に舌を口蓋に上げる仕方や方向を習得するためのトレーニングです。
チューイングブラシ
繰り返し噛むことにより、口の中全体に力が加わり、顎骨や口輪筋、咀嚼筋の発達を助け、口の周囲の筋肉の正常な発達を促し、不正咬合を防ぎ、引き締まった美しい口元をつくります。
装置による口腔育成
すでに歯並びに問題が生じ、原因療法のトレーニングだけでは難しい場合には、メカニカルな装置を併用して口腔育成も行います。
床矯正
床矯正装置という装置を使用し、成長期における顎の成長を利用し、顎の成長を助け、きれいに歯を並べいく治療です。床矯正装置はネジのついた装置で、ネジを回転させ少しずつ装置を拡げ、顎を拡げて歯を正しい位置に移動させていきます。永久歯の生え始める5~6歳から始めて、9~10歳位までに終わるようにすると、よい治療結果につながり、期間も早く終わります。
一般的な矯正治療では、歯を抜いてスペースを作り、出来たスペースに歯を並べていきますが、床矯正治療は、顎を拡げて歯を並べていき、基本的に永久歯を抜きません。それは、口腔の容積が広い方が、舌の機能が円滑にできたり、鼻呼吸や正しい飲み込み方が習得しやすいからです。
Vキッズ
ムーシールド
インフルエンザなどの呼吸器の病気は、ウイルスや細菌などを吸い込むことで発症します。鼻には、外敵をシャットアウトする機能が備わっているため、口呼吸よりも鼻呼吸の方が感染しづらいと考えられています。
プレオルソ・マイオブレース・オーソテイン
オーバーレイ
正しい顎の成長を促す装置とワイヤー装置を併用する取り外しの必要のないシステムです。