うつぎざき歯科医院の歯周病治療
歯周病の治療にあたっては、しっかりと検査を行い、検査結果に基づいて的確な治療を行い、治療の結果を検査で確認し、検査結果に基づいて次のステップの治療を行っていくという流れで治療を行っていきます。検査の結果や治療前後の状態は、客観的な資料で患者さんにご説明し、患者さん自身に自分のお口の中や歯周病の状態を理解いただきながら治療を進めていきます。歯周病の原因となっている歯石やバイオフィルムの除去は、トレーニングされた歯科衛生士により確実な技術で行います。歯石やバイオフィルムの除去だけでなく、口腔内の細菌の検査に基づく歯周内科治療、かみ合わせの問題に対する治療、など歯周病のそれぞれの患者さんの原因に対して的確な治療を行っていきます。
歯周病の検査
①歯周病の基本の検査
歯周ポケット検査(6点法)
歯周ポケットの検査は歯周病の進行状態を評価するために必要な検査です。歯周ポケットを測定する専用の器具を挿入(プローピング)して、歯周ポケットの深さを調べていきます。
歯周ポケット検査には、最深部の1点を測る方法、歯の周りの4点を測る方法もありますが、当院では歯の周りを6点測る方法(頬側で3点、舌側で3点)で行っています。
一つの歯について6点を測ることで、より正確に歯周病の状態を調べることができます。
出血の有無
歯周ポケット測定時に出血の有無を確認します。
出血がなければ健康な歯肉ですが、出血するところがあれば、その箇所には炎症があるということになります。
動揺度
歯の動揺度を調べます。
歯周病が進行していると歯槽骨が溶けてしまい、歯がぐらぐらしてきます。
②デンタルレントゲン(10枚法)
③口腔内写真
④口腔内模型
⑤歯周病菌検査
歯周病の治療
【初期~中度の歯周病】
①ブラッシング指導
②歯石除去(スケーリング)
③栄養指導
歯周病治療の一環として、管理栄養士による栄養指導を行います。
【中度~】
④SRP(スケーリングルートプレーニング)
歯周病が進んでいる場合は、歯肉の下の歯石を除去する処置を行っていきます。手用スケーラーまたはP-MAXを用いて行います。P-MAXにはURMチップというSRP専用の特殊なチップを用います。これによって、比較的軽度の場合は、無麻酔で行うことができ、効果的です。また比較的重度の場合は、麻酔をして、SRP用の手用スケーラー及びP-MAXを使用します。
⑤歯周内科治療
顕微鏡による歯周病菌検査で、細菌が多いことがわかった場合は、投薬により、細菌を減らす治療も行います。
ジスロマックという内服薬(抗生物質)とペリオバスターという殺菌作用を持つ歯みがき剤とを併用し、ジスロマックの効果が効いている間に歯垢や歯石を除去する処置を集中して行っていきます。
【重度】
⑥PCR検査に基づく投薬
歯周病の原因菌にはたくさん種類があり、患者さんにより、どのような細菌が存在しているかが異なります。
基本的な歯周内科治療に加えて、PCR検査(コロナ感染症のPCR検査とは違う検査です)という検査で口腔内の細菌の種類を特定し、特定した細菌に有効な抗生薬を投与することで、細菌を効果的に減らすことが出来ます。抗生薬投与により細菌が減っている期間に、集中的にSRPを行うことで、歯周病の改善が期待できます。
⑦半導体レーザー
中度~重度の歯周病の場合には、半導体レーザー使用して、歯周ポケット内の不良肉芽の蒸散や歯周病菌の殺菌を行います。半導体レーザーは痛みが少なく止血効果も高いレーザーで、歯周病の改善には有効です。
かみ合わせに問題がある場合
⑧かみ合わせ治療
歯周病の原因としてに、かみ合わせの要因が考えられる場合は、かみ合わせの改善の治療を行っていきます。就寝時に装着するマウスピースを使用していただく場合もあります。
歯周病を進行させないために
歯周病治療により歯周病の状態が改善されたら、その後は、歯周病を進行させないために継続的にメンテナンスを行っていきます。継続的なメンテナンスでは、次のことを行っていきます。
- 毎回、歯周病の状態を検査し、継続的に記録を管理していきます。
- 検査の結果に基づいて、必要な処置を行い、ご家庭でのセルフケアについて指導をいたします。
- セルフケアで除去しきれないバイオフィルムや歯石を、歯科衛生士がP-MAXやエアフロ―などの専門的な機器を用いて除去します。エアフロ―は歯を傷つけず、痛みも少なく、心地よく受けていただくことが出来ます。